Toyota Woven City 雑感

今年の世界家電市(CES)でトヨタが静岡県裾野市に企業主導の都市プロジェクトを発表して話題をよびました。単刀直入にいうと、試みとしては支持します。

お知らせ) DJスクラッチの投稿はひとつにまとめました。 https://www.yasushisakai.com/posts/2020-01%5Fscratching

Woven Cityについての雑感

注意!! 以下はほとんど裏を取らずに、勝手な印象で書いています。眉唾です! ご意見、ご指摘は歓迎です。

Toronto との違い

Googleと同じ親会社Alphabet傘下のSidewalk Labsが同じようにToronto市を実験場に都市計画に踏み込んだビジネスを展開しています。計画の途中なので、まだまだ評価を下すのは早いのですが、現時点での市民からの評判はあまり良くありません。理由を簡単にいうと、 Googleが背後にいて市民から「どうせ自分たちのデータを売り物にするんでしょ」という嫌疑とGoogleじゃなくても民間企業が強すぎると経済原理に偏りすぎて、行政だからできる本来はずしちゃいけない弱者に対するケアが疎かになるのではという不安という事らしいです。

企業としては、やっぱりビジネスはお金にならないとダメなわけですからしょうがないことなので、性質上公共に手をつけるのはどんな物かと言われてしまうのでしょう。障碍者・子供・女性・外国人・その他がちゃんと生きていけるようにしないといけないわけです。

で、トヨタも大きな企業ですが、ぽっと出のSidewalksとは違います。トヨタは創業から 87年経っていて、だからと言って次の一年生き残れる保障にはなりませんが、日本のビジネスサスティナビリティはみんなに誇れるものだとおもいます。 Toronto市民のアンチSidewalks論は信頼関係の欠如からくるものと捉えると、もしながく日本でビジネスを続けていて、国ぐるみで苦楽をともにしたトヨタが国内での信頼を糧に都市計画ビジネスを始めるとすれば、それはアドバンテージとしてすごく大きいと思う。Googleが弱者に寄り添うとか言ってこびを売る必要がなく、今までいろんな人をのせてきたわけですから。

逆に、車が売れなくなるからってこれからはサービスですと鼻息荒くしてデータデータ言いすぎるとと市民側もなんだか気持ち悪いわって感じ始めてしまうかもしれません。つながっている1事が重要と謳うなら同時に何に(何のために)つながっているかをみたかった。

もう一つは自社の研究所跡地でやる事、これも今までトヨタが裾野でどんな印象をもたれているかでやりやすさは全然違うように思います。ただ…できればFordのように本社お膝元でやって欲しかった。トヨタの社員やその組織が「自分たちがしっかりしないと裾野市に迷惑がかかる」なんて昔の日本の土地や屋号に対する尊厳も見方によっては重要なのではないでしょうか。

何もトヨタだけじゃなくて、日本にはこうやって信頼を築いた大きな企業がいくつもあるし、市民の生活を支えていきたわけですから、そうゆう意味で大企業はみんな都市計画部を作り、本社周りの計画をビジネスに取り込むべきと思います。(と4年前くらいから吠えている)どうせ人口減少してるし、どうせなら全部PPP2化しちゃえばというのは radicalすぎますかね。

そうゆう意味で、日本企業こそやって行くべきだと思うので今回の動きには期待だし、流石日本を支える根幹産業の牽引役として頑張ってーって思います。

評価の基準

で、その期待の中身は何?何がみてみたいの?評価の基準を大変恐縮ながら考えてみました。

  1. 試行錯誤の過程をオープンにすること

    まず、得られたデータやその解析手法は他の都市計画での転用を検討ができるようにオープンにする事3。スマートシティ構想の最大の問題は新しい事やるのはいいけどその特区までで、そのデータや分析手法が扱いやすいように出ていない事です。この施策がこの街でうまくいってこの街で上手くいかない理由をアカデミアに考えさせないと、持続性に疑問が残ってしまいます。日本ではまだ企業が都市計画に踏み込んで行く例が少ないので、データの公開4 や管理・所有についてもお手本になるようなプロジェクトになりそうです。

    これはこのプロジェクトの批評ではなく、都市計画がそもそも不得意な分野だと思っていて例えば公開空地5って仕組みがありますが、それの利用状況や市民が自由に往来する事によるメリットもデータと合わせてみんなにみれる状態にすべきです、これをオーバキル気味にポジティブにドライブする不動産会社とか出てきて欲しいぜ。繰り返しますが、これは愚痴で、woven cityとは脱線でした。

  2. 観察のフェーズ深み

    メディア戦略としてBIG器用もいいと思います。だけどここにスポットライトが当たる事は重要では無いように思います。世界のトヨタとして外国人建築家を迎え入れる準備ができていますよとアピールするのは日本建築界の失敗から6は学ぶという意味でいいと思いますが、新幹線から見えるわけでもないし、マウントフジという超アイコンあるし、ビヤルケが描く絵よりもビヤルケとここに住う人が話し合い決めていく過程に深みを持たせられるかを問いたい。

    あくまでもわかりやすいコンセプトを提示するためだし、それをたたきに…と思うのですが、本当に編み込む事が裾野市の現状とどう合致しているのかという観察・検証をお金かけてやってほしいです。できればこうゆう事が得意なチャールズ・ムーア、ローレンス・ハルプリンとかゲールとか渋いところをとデータ解析に強いシンクタンクorアカデミアを組ませてやるべきだと思う。要は1960年代[要復習]に流行った自然現象観察派を取り入れた上でデータオリエンテッドであってほしい。Sidewalksはこれでこけてるし7、Bloomberg市長時代のNY改造計画の成功要因8の一つでもあると思う。

  3. wovenなんだから周りとも馴染むようすること

    最後に、計画じみた意見ですが、その隣接地のことどう考えているかをみてみたい。ハード・ソフト共に周辺互換性と言ったらいいんでしょうか。

    ハード面では道となると、周辺との接続がうまくいくかが難しい気がします。自転車専用レーンが突如なくなるとそこが結局危なくなったり、周辺にも影響を与えますよね。ただ切り貼りしてうまくいくようには見えません。

    ソフト面でもなるべく周辺との差を鑑みて市ぐるみで市民が同じサービスが受けれるようにすべきだし、文化や教育といった、やっぱり行政がこれまでになってきたことを引き入れるべきでしょう。いい物は(データに基づいた確証で)隣接地、隣の市、あるいは日本各地に展開できるようには1.とつながってきます。最終的には市民の人はトヨタとともに行きつつ、市議選と言った街をどうすべきかという議論に参加しやすい環境ができるとすごいとおもいます。


  1. Wovenと同じようにConnected(コネクテッド)がスローガンとして上がっていました。 [return]
  2. Public Private Partnershipと横文字にしてみましたが、新しい官民連携の形と言われています。乱暴にまとめるとインフラ運営を民間に入札して委託するやり方よりも早い段階から民間の意見が取り込めるような組織を作り一緒にサービスを考えていく感じ。要するにもうちょっとだけずぶずぶの関係になりましょうということでしょうか。 [return]
  3. いきなり評価基準というより、願望ですが…。 [return]
  4. APIの提供、個人情報の取り扱い [return]
  5. 私有地の一部を一般通行可能にすることで、容積率にボーナスをもらう(もっと面積建てれる->収益性UP)仕組み。 [return]
  6. 新国立競技場 [return]
  7. よくよく観察してみるとSidewalksは2019年からGhelをどさくさに紛れて器用していたりします。 [return]
  8. ジャネットの本参照。官僚サイドとしてこうゆう活躍できる土壌がいいよね。 [return]