[レビュー]「高速道路計画におけるグラフィック・テクニックに関するスタディ」1

日本とテレカンしてたときに、ふとレファレンスとして出したこの忘れられた伝説の報告書について、この投稿は前段として、内容に踏み込まず、この論文自体の背景と概要のご紹介です。

磯崎新さんの『建築の解体』(1975)に載ってるのかと思ったけど、ちゃんと乗ってるのは『空間へ』(1971)の都市設計のプロセス?に乗ってるんだと復習。日本に置いてあって手軽に見れない。

結論を申し上げると、昨今のマッピング系計画手法で、結局これを超えるものは出ていないんじゃないかって思いました。

僕の検索リテラシーがしょぼいのかこの「高速道路計画におけるグラフィック・テクニックに関するスタディ」(以下:スタディ)の資料が日英ともネットに載っていなくてびっくり。難波さんがちょろっと言及してるくらい1。それでMITパワーを駆使して、取り寄せる。実はこれ、MIT名義で出版されていて、マサチューセッツの公共事業の研究予算からの出資のようです。1962年にクリストファー・アレグザンダーとマービン・マンヘイムの共著で、ウィリアム・リトルとブライアン・マーティンの授業レポート課題の延長の様です。(これは出版されていないようです。)

マービン・マンハイムはMITのシビル・エンジニアリングの先生で、その後アメリカの高速道路計画にも参加されたようで、そのほかにも(もちろん)ワークフローやプロセス論に関わる著作を残しています。マービン先生は2000年に亡くなっています。

クリストファー・アレグザンダーに参考文献に自身の(また伝説の)博論である「形の合成に関するノート」がまだ未出版(unpublished)で書いてあります、これから2年かかるんですね。

なーにがかっこいいって、アブストの最初の一語が「図1は連邦政府地形調査図から撮られたマサチューセッツ州西部の写真である。」って、いきなり図版から始まるところですね。

対象敷地です。

詳細は次回以降にするとして、概要を説明します。

課題: 高速道路をどこに通すか

方法:

  1. 26個の評価基準の設定 (例えば、用地買収コスト)
  2. それぞれについて、その評価を示す白黒の画像を用意する。(ex. 人が住んでいない州が所有しているところは安いので黒、人が住んでいて、地価が高いところは高くつくので白)
  3. 26の評価基準画像を木構造に分類して、各レイヤー化をスーパーインポーズし情報を抽出する。当時はフォトショがないので、写真を重ね焼きしているようです。
  4. 重ね合わせた結果を元にどのルートがいいか決める。

次回はこれから、もっと噛み砕いていきます。特にプロセスの3.は謎が多い。

今の時代なら、google earthもあるし、フォトショもあるし、いろんなデータアナライゼーションツールでwebにも表示できて、データサイエンスの助けもあって色々できるんだけど、この手法そのもののn番煎じでちょっとアカデミア大丈夫かなって背筋が伸びますよ本当に。